波動シグナル研究所です。
「持っていない通貨を、どうやって売るんですか?」
「売りから入るって、どういうことですか?」
「ロングとショート、どっちがどっちか、すぐわからなくなります」
FXで買いから入ることはロング、売りから入ることはショートと呼ばれています。
わからなくなるのは記憶力のせいではありません。
日常の買い物に「売りから入る」場面がないので、頭の中に置き場所がないだけです。
ロングとショートの違い
結論から言います。
ロングとショートの違いは、「買って売る」か「売って買い戻す」か——2回の取引の順番が逆になるだけです。
ロングは、安いうちに買って、高くなってから売ります。
上がった差額が利益になる、日常の感覚のままの取引です。
ショートは、高いうちに売って、安くなってから買い戻します。
やっている取引は同じ「買い」と「売り」の2回で、順番だけが逆です。
だから、下げの場面でも利益を狙う組み立てができます。
特別な裏技ではなく、差額の取り方が逆向きなだけです。
名前の由来には諸説あります。
上昇はゆっくり長く、下落は短い時間で進みやすいから、という説がよく紹介されます。
覚えるのは「ロング=買い」の片方だけで足ります。
残ったほうがショートです。
持っていない通貨を売れる理由
いちばん引っかかるのは、ここだと思います。
持っていないものを、なぜ売れるのか。
たとえ話から始めます。
友だちに借りたゲームソフトを、値段が高いうちにいったん売ってしまいます。
値下がりしてから同じソフトを買い戻して、友だちに返す。
手元には差額が残ります。
「借りて売って、安く買い戻して返す」。
売りから入る取引の骨組みは、これだけです。
そして実際のFXでは、この貸し借りすら起きていません。
FXは差金決済という仕組みで、通貨の現物は動かさず、売った値段と買い戻した値段の差額だけをやり取りします。
だから、ドルを持っていなくてもドル円を売ることに無理はありません。
画面に残るのは「この値段で売った」
という記録と、「いずれ買い戻して取引を閉じる」という約束だけです。
もうひとつ。
ドル円の「売り」は、ドルを手放して円を受け取る両替の向きを指します。
FXは常に2つの通貨の交換なので、どちらの向きから始めてもよい、というだけの話です。
上昇・下落で決まる損益の形
組み合わせは4つしかありません。
ロングは上昇なら利益、下落なら損失。
ショートは下落なら利益、上昇なら損失です。
きれいな対称なので、ショートだから危険、ロングだから安心ということはありません。
予想と逆に動けば損失になる点は、どちらの向きでも同じです。
どちらの向きで入るかをトレンドとの関係で選ぶ考え方は、順張りと逆張りの記事が担当しています。
実際に売り注文を出す操作の手順は、成行注文と指値注文の記事の持ち場です。
pips・レバレッジ・スプレッドなど、この記事の前後にある土台は、FXの基礎知識まとめで整理しています。
ショートは順番が逆なだけ
この記事の3点を束ねます。
ロングとショートは、2回の取引の順番が逆なだけ。
持っていない通貨を売れるのは、差金決済で差額だけをやり取りするから。
損益は上昇・下落ときれいに対称です。
下げの場面ではチャートを閉じて待つしかない
——そう思っていた人にとって、ショートは相場の半分を観察の対象に変える言葉です。
仕組みがわかれば、怖がる理由も、ありがたがる理由もありません。
