波動シグナル研究所です。

「デイリーバイアスを決めてから下位足を見るとよいと聞いたのですが、何を見て決めればいいのかが分かりません」

「マルチタイムフレーム分析で上位足を見るのと、デイリーバイアスを決めるのは、同じことなのでしょうか」

デイリーバイアスは、ICTやSMCの解説で、1日の分析の出発点としてよく出てくる考え方です。
この記事では、どんなものを指すのか、決めるときに見る材料、マルチタイムフレーム分析との違い、そして外れたときに備えて先に決めておきたい条件を順番に整理します。

デイリーバイアスとは

この記事でわかること。1 日足からその日に向かいやすいと考える方向を1つ決めておく考え方、2 決めるときに見る3つの材料、3 マルチタイムフレーム分析との違いと、外れたときの条件を先に決めておくこと。
デイリーバイアスは、その日に見る場面を絞るための前提

結論から言います。

デイリーバイアスとは、日足などの上位足から、その日に価格が向かいやすいと考える方向と向かう先を、朝のうちに1つ決めておく考え方のことです。
バイアスは英語で「偏り・傾き」を意味する言葉で、その日の分析をどちらの向きに寄せて見るのかという前提を表しています。

登山にたとえると、歩き出す前に地図を広げて、今日はどの山頂を目指すのかを決めておくようなものです。
目的地が決まっていれば、途中の分かれ道でいちいち迷わずにすみ、その方向へ進む道だけを落ち着いて探せるようになります。

決めるときに見る3つの材料

日足のローソク足を並べた模式図の上に、1 高値と安値が切り上がっているかという日足の構造、2 前日の高値と安値のどちらがまだ抜かれずに残っているか、3 直近の値幅の中で高い側と安い側のどちらにいるか、の3つの材料を番号つきで書き込んだ図。
日足で3つの材料を見て、その日の向きを1つ書き出す

よく使われる材料は、日足の高値と安値が切り上がっているか切り下がっているかという構造、前日の高値と安値のどちらがまだ抜かれずに残っているか、そして直近の値幅の中で高い側と安い側のどちらにいるか、の3つです。
まだ抜かれていない高値や安値は、その外側に注文がたまっていると考えられるため、向かう先の候補として扱われます。

3つの材料が同じ向きにそろった日だけ向きを1つ書き、そろわない日は「中立」と書いておくのが基本です。
毎日どちらかに決めなければいけないと考えると、材料が足りない日にも無理に向きを作ってしまうので、中立という答えも用意しておくことが大切です。

マルチタイムフレームとの違い

左はマルチタイムフレーム分析で、上位足・中位足・下位足を順番に見るという時間足の使い方の型。右はデイリーバイアスで、日足からその日の向きと向かう先を1つ書き出し、下位足ではその向きの場面だけを探すという、SMCの文脈での使い方であることを比べた図。
見る順番の型と、その日に書き出す前提の違い

上位足から下位足へ順番に見るという点では、デイリーバイアスはマルチタイムフレーム分析とよく似ています。
マルチタイムフレーム分析が時間足を見る順番そのものの型であるのに対して、デイリーバイアスは、日足からその日の向きと向かう先を1行で書き出すところに重心があります。

そのうえで下位足では、書き出した向きに合う場面だけを探し、逆向きの場面は見送るというふうに使います。
朝に決めた前提があるので、日中に値動きが大きくなったときにも、その場の印象で向きを入れ替えずにすむのがこの考え方の役割です。

デイリーバイアスが前提にしている構造や流動性、高い側と安い側の物差しといった考え方の全体像は、スマートマネーコンセプトの全体像をまとめた教科書で整理しています。

外れたときの条件を先に決める

上向きのデイリーバイアスを置いた日について、向かう先を前日までの高値、白紙に戻す条件を前日の安値を下回ったときとして2本の線で示し、左は向かう先へ進んだ日、右は前日の安値を割り込んでバイアスを中立に戻した日を並べた比較図。
「向かう先」と「白紙に戻す線」を、朝のうちに両方決める

デイリーバイアスでいちばん気をつけたいのは、決めた向きが外れる日も当然あるということです。
ですから、上向きのバイアスなら「前日の安値を下回ったら中立に戻す」のように、白紙に戻す線を向かう先と一緒に、朝のうちに書いておきましょう。

白紙に戻す線を決めておけば、外れた日にも向きにこだわり続けることがなくなり、記録の上でも当てはまった日と外れた日をはっきり分けられます。
その両方を過去チャートや日々の記録で数えていくと、自分の決め方がどのくらいの割合で当てはまっているのかを、落ち着いて確かめられるようになります。

⚠️ 注意デイリーバイアスは、その日に見る場面を絞るための前提であり、その日の値動きの方向を言い当てるものではありません。向きと逆へ動く日や、材料がそろわない日も多くあるため、ほかの根拠と重ねて、研究・学習の材料として扱うのが落ち着いた向き合い方です。
📋 まとめデイリーバイアスは、日足などの上位足から、その日に向かいやすいと考える方向と向かう先を朝のうちに1つ決めておく考え方です。日足の構造、前日の高値と安値、値幅の中の位置の3つを見て、そろわない日は中立と書きます。白紙に戻す線も一緒に決め、外れた日も含めて記録で確かめていきましょう。