波動シグナル研究所です。

「ディスプレイスメントは勢いのある動きのことだと聞きましたが、どのくらい大きければそう呼んでいいのかが分かりません」

「FVGの解説にもディスプレイスメントが出てくるのですが、2つがどうつながっているのかがはっきりしません」

ディスプレイスメントは、ICTやSMCの解説で、FVGやオーダーブロックの話の前置きとしてよく登場する言葉です。
この記事では、どんな値動きを指すのか、見分けるときの目安、FVGとのつながり、そしていちばん見落としやすい構造の更新との関係を順番に整理します。

ディスプレイスメントとは

この記事でわかること。1 大きな実体の足が同じ方向に続き、価格が一気に移動する値動き、2 見分けるときの3つの目安、3 FVGとの関係と、構造の更新と組で見る考え方。
ディスプレイスメントは、FVGや構造の更新が生まれる勢いの側

結論から言います。

ディスプレイスメントとは、大きな実体のローソク足が同じ方向に続き、価格が一気に別の場所へ移動する勢いのある値動きのことです。
英語で「移動・押しのけること」を意味する言葉で、ICTやSMCでは、大きなお金がまとまった注文を入れた跡として注目される動きです。

混み合った駅のホームで、それまでばらばらに歩いていた人の流れが、電車の到着と同時に一方向へどっと動き出す場面に近いものです。
普段の小さな上げ下げとは明らかに違う、まとまった力で価格が押し出された瞬間をとらえようとするのが、この言葉の役割です。

見分け方の目安

左側には実体の小さいローソク足が上下に入りまじって横ばいになっている普段の値動き、右側には普段より明らかに大きな実体で、ヒゲが短い陽線が3本続けて上へ進んだディスプレイスメントを並べ、見分ける3つの目安を書き添えた図。
普段の足と比べて、明らかに大きな実体が同じ方向に続く

見分けるときによく使われる目安は、実体が普段の足より明らかに大きいこと、ヒゲが短く終値が足の端に近いこと、同じ方向の足が続いていることの3つです。
どれも「普段と比べてどうか」という相対的な見方なので、同じ大きさの足でも、静かな時間帯と荒れた時間帯とでは受け取り方が変わります。

大切なのは、「普段の何倍の大きさなら勢いと見るか」を、自分で数字にして決めておくことです。
見た目の印象だけで判断すると、同じチャートを見ても日によって線引きが変わってしまい、あとで記録を数えるときに比べられなくなります。

FVGとの関係

3本のローソク足のうち、真ん中の大きな陽線がディスプレイスメントにあたり、1本目の高値と3本目の安値のあいだに、ヒゲが重ならない空白としてFVGが残ることを示した図。
勢いが原因で、空白(FVG)はその結果として残る跡

ディスプレイスメントのような勢いのある足が出ると、その前後の足のヒゲが重ならず、価格の空白が残ることがよくあります。
上昇の場面なら、1本目の高値と3本目の安値のあいだにできるこのすき間が、FVG(フェアバリューギャップ)と呼ばれるものです。

つまり、勢いのある値動きが原因の側で、FVGはその結果としてチャートに残る跡だと整理できます。
勢いが強いほど空白も生まれやすい一方で、大きな足が出てもヒゲが重なって空白が残らないこともあるので、2つは別々に確かめるのが基本です。

ディスプレイスメントが前提にしている、大きなお金の注文や流動性といった考え方の全体像は、スマートマネーコンセプトの全体像をまとめた教科書で整理しています。

構造の更新と組で見る

左は勢いのある値動きが直前の高値をはっきり越えて構造を更新した例、右は大きな足が出たものの、直前の高値の手前で止まってレンジの内側にとどまった例を並べ、どこを越えたかで意味の重さが変わることを示した比較図。
勢いの大きさだけでなく、どこを越えたかを見る

ディスプレイスメントで見落としやすいのは、勢いの大きさだけでなく、その動きがどこを越えたのかという点です。
直前の高値や安値をはっきり越えて構造を更新した勢いと、レンジの内側で大きく動いただけの勢いとでは、同じ大きな足でも受け取り方が変わってきます。

ですから、「大きな足が出たか」と「直前の高値や安値を越えたか」を、2つの別々の条件として記録しておくことが大切です。
その2つがそろった場面とそろわなかった場面を過去チャートで分けて数えていけば、勢いという言葉を自分の定義で扱えるようになります。

⚠️ 注意ディスプレイスメントは、値動きの勢いを言葉で整理するための考え方であり、その方向に値動きが続くことを約束するものではありません。勢いよく動いたあとにすぐ戻ることもあるため、ほかの根拠と重ねて、研究・学習の材料として扱うのが落ち着いた向き合い方です。
📋 まとめディスプレイスメントは、大きな実体の足が同じ方向に続き、価格が一気に移動する勢いのある値動きです。見分けるときは実体の大きさ、ヒゲの短さ、同じ方向への連続を、普段の足と比べて見ます。FVGはその結果として残る跡で、構造を更新したかどうかと組にして過去チャートで確かめていきましょう。