波動シグナル研究所です。
「ディスプレイスメントは勢いのある動きのことだと聞きましたが、どのくらい大きければそう呼んでいいのかが分かりません」
「FVGの解説にもディスプレイスメントが出てくるのですが、2つがどうつながっているのかがはっきりしません」
ディスプレイスメントは、ICTやSMCの解説で、FVGやオーダーブロックの話の前置きとしてよく登場する言葉です。
この記事では、どんな値動きを指すのか、見分けるときの目安、FVGとのつながり、そしていちばん見落としやすい構造の更新との関係を順番に整理します。
ディスプレイスメントとは
結論から言います。
ディスプレイスメントとは、大きな実体のローソク足が同じ方向に続き、価格が一気に別の場所へ移動する勢いのある値動きのことです。
英語で「移動・押しのけること」を意味する言葉で、ICTやSMCでは、大きなお金がまとまった注文を入れた跡として注目される動きです。
混み合った駅のホームで、それまでばらばらに歩いていた人の流れが、電車の到着と同時に一方向へどっと動き出す場面に近いものです。
普段の小さな上げ下げとは明らかに違う、まとまった力で価格が押し出された瞬間をとらえようとするのが、この言葉の役割です。
見分け方の目安
見分けるときによく使われる目安は、実体が普段の足より明らかに大きいこと、ヒゲが短く終値が足の端に近いこと、同じ方向の足が続いていることの3つです。
どれも「普段と比べてどうか」という相対的な見方なので、同じ大きさの足でも、静かな時間帯と荒れた時間帯とでは受け取り方が変わります。
大切なのは、「普段の何倍の大きさなら勢いと見るか」を、自分で数字にして決めておくことです。
見た目の印象だけで判断すると、同じチャートを見ても日によって線引きが変わってしまい、あとで記録を数えるときに比べられなくなります。
FVGとの関係
ディスプレイスメントのような勢いのある足が出ると、その前後の足のヒゲが重ならず、価格の空白が残ることがよくあります。
上昇の場面なら、1本目の高値と3本目の安値のあいだにできるこのすき間が、FVG(フェアバリューギャップ)と呼ばれるものです。
つまり、勢いのある値動きが原因の側で、FVGはその結果としてチャートに残る跡だと整理できます。
勢いが強いほど空白も生まれやすい一方で、大きな足が出てもヒゲが重なって空白が残らないこともあるので、2つは別々に確かめるのが基本です。
ディスプレイスメントが前提にしている、大きなお金の注文や流動性といった考え方の全体像は、スマートマネーコンセプトの全体像をまとめた教科書で整理しています。
構造の更新と組で見る
ディスプレイスメントで見落としやすいのは、勢いの大きさだけでなく、その動きがどこを越えたのかという点です。
直前の高値や安値をはっきり越えて構造を更新した勢いと、レンジの内側で大きく動いただけの勢いとでは、同じ大きな足でも受け取り方が変わってきます。
ですから、「大きな足が出たか」と「直前の高値や安値を越えたか」を、2つの別々の条件として記録しておくことが大切です。
その2つがそろった場面とそろわなかった場面を過去チャートで分けて数えていけば、勢いという言葉を自分の定義で扱えるようになります。
