波動シグナル研究所です。
「指値は、いまより安いレートのときにしか使えないんですか?」
「注文したつもりの方向と逆に、エントリーや決済がされていたことがある……」
「指値と逆指値、名前が似ていて、どっちがどっちかわからなくなる」
こうした「買う・売るをどう出すか」の方式は、注文方法と呼ばれています。
種類は多く見えますが、覚える軸は実はひとつだけです。
成行注文と指値注文の違い
結論から言います。
注文方法の違いは、価格ではなく「いつ動き出すか」の違いです。
タクシーにたとえます。
成行注文は、道ばたでいまタクシーを拾うこと。
価格を指定せず、そのとき成立する価格ですぐ買う(売る)注文です。
すぐ乗れる代わりに、運賃はメーター次第。
注文が届くまでのわずかな時間でレートが動くと、想定と少しずれた価格で成立することがあります。
このずれはスリッページと呼ばれています。
一方の指値注文は、配車の予約です。
「この条件なら乗ります」と希望を出して、条件が合うまで待つ。
指定した価格にならなければ、注文は成立しません。
どちらが良い・悪いではありません。
すぐ乗りたい場面と、条件を優先したい場面がある——それだけの話です。
つまずきやすいのは、ここからの逆指値です。
逆指値注文はなぜ待つのか
「いまより不利なレートを、わざわざ指定して買う。
逆指値が何のためにあるのか、わからない」——多くの方が最初にここで止まります。
逆指値注文は、「いまより高くなったら買う」「いまより安くなったら売る」という注文です。安く買いたい直感と逆に見えるので、わからなくなるのは仕組み上むしろ自然です。
指値はすぐ並ぶ、逆指値は待つ
指値は、出した瞬間に市場の列に並びます。
あとは指定した価格が来るのを待つだけで、来れば順番どおりに成立する
——いわば「もう並んでいる」注文です。
逆指値は、出した時点ではまだ並びません。
指定した価格に達するまで待機して、達して初めて発注される
——動き出すタイミングがあとに来る注文です。
不利な価格を指定する理由
「高くなったら買う」は、上がり始めたことを確かめてから流れに乗るための予約です。
「この水準を超えたら流れが本物」
と考える場面では、超えるのを待ってから乗りたいはず——その「超えたら」を予約しておけるのが逆指値です。
そしてもうひとつの「安くなったら売る」側こそ、逆指値がいちばん活躍する場面です。
逆指値は損切りの予約になる
「もう少し待てば戻るはず——そう思って損切りを先送りにして、損失が膨らんでしまった」。
FXの失敗談で、もっともよく聞かれる後悔のひとつです。
先送りは、意志が弱いから起きるのではありません。
含み損を目の前にすると、誰でも「待てば戻る」
に賭けたくなる——だからこそ、感情が動く前の予約が効きます。
逆指値は、保有しているポジションに対しては、主に損切りの予約注文として使われています。
買いポジションの下に「ここまで下がったら売る」を置いておくイメージです。
たとえの続きで言えば、配車予約が「良い条件で乗るための予約」
なら、逆指値は「事故が起きたら自動で降りるための保険の予約」です。
3つの注文のうち、不利な方向への出口をあらかじめ決めておけるのは逆指値だけです。
予約にしておけば、「戻るはず」
という気持ちに判断を委ねずにすみ、損失を想定の範囲に収めやすくなります。
なお、レートやpipsなど注文の前提になる言葉は、FXの基礎知識まとめで整理しています。
3つの注文方法の使い分け
「経験者は、成行と指値のどっちで買うことが多いの?」という声もよく見かけます。
答えは、どちらかが正解というより場面で使い分けるものです。
「いつ動き出してほしいか」で選ぶと、3つはきれいに並びます。
| 注文方法 | いつ動くか | たとえ |
|---|---|---|
| 成行 | 今すぐ | タクシーを拾う |
| 指値 | 有利な価格になったら | 配車の予約 |
| 逆指値 | 不利な価格に達したら | 保険の予約 |
急いで流れに乗りたいときは成行、価格を優先してじっくり待てるときは指値、出口をあらかじめ確保しておきたいときは逆指値——表の「いつ動くか」が、そのまま選び方になります。
ちなみに、これらの予約を組み合わせたIFD・OCO・IFOという注文もあります。
いまは「そういう名前の組み合わせがある」とだけ覚えておけば十分です。
