波動シグナル研究所です。
「なんでエントリーした瞬間にマイナスになるの?」
「手数料は無料って聞いたのに、なんか損してる……?」
「スプレッドって、買うときと売るとき、どの時点で発生するのかわからない」
この、取引のたびに少しだけ引かれている「見えない差」
は、スプレッドと呼ばれています。
正体さえわかれば、こわいものではありません。
スプレッドとは取引コストのこと
結論から言います。
スプレッドとは、通貨を売る値段(BID)と買う値段(ASK)の差で、FXの実質的な取引コストです。
空港の両替所を思い出してください。
円をドルに替えるレートと、ドルを円に戻すレートは、少しだけ違いますよね。
だから、替えて戻しただけなのに、手元のお金は少し目減りする。
あの「行きと帰りの差」とまったく同じものが、FXの通貨の売り買いにも、最初から組み込まれています。
FXでは「取引手数料は無料」
とうたわれることが多いのですが、この差だけは最初から値段のなかに含まれています。
手数料がゼロでも、コストはゼロではないのです。
そしてこの差は、取引をするたびに1回ずつ発生します。
だからスプレッドは、FXの実質的な取引コストと呼ばれているわけです。
買った瞬間マイナスになる理由
FXの取引画面には、いつも2つの値段が並んで表示されています。
売る値段(BID)と、買う値段(ASK)です。
そして、売る値段は買う値段よりも、つねに少しだけ安い。
ここが、すべての種明かしです。
買いの注文は、高いほうのASKで成立します。
ところが、その瞬間の損益は「いま売ったらいくらか」、つまり安いほうのBIDで測られます。
だから、レートがまったく動いていなくても、入った瞬間はスプレッドの分だけマイナス表示になります。
またいだ差が、そのまま数字に出ているだけなのです。
エントリーした瞬間のマイナスは、あなたの判断ミスでも、操作の失敗でもありません。
仕組み上、そうなるのが自然です。
レートが差の分だけ有利に動けば、損益はゼロに戻ります。
スタート地点が少し後ろにある——それだけのことです。
この最初の小さなマイナスの意味を知っているだけで、エントリー直後の同じ画面が、ずいぶん落ち着いて見えてきます。
スプレッドのコストを計算する
では、この差は結局「いくら」なのでしょうか。
計算は、かけ算ひとつです。
スプレッド × 取引数量 = コスト。たとえば米ドル/円のスプレッドが0.2銭なら、1万通貨の取引で約20円になります。
20円と聞くと、小さく感じるかもしれません。
ただ、この差は取引のたびに新しく発生します。
かりに1日5回の往復売買を20営業日つづけると、20円×100回=2,000円。
回数が増えるほど、同じ差が静かに積み上がっていくわけです。
だから一般に、スプレッドは狭いほど取引コストが小さくなります。
とくに短期売買では、ねらう値幅に対するこの差の比重が大きくなりやすいのです。
なお、スプレッドの単位には「銭」
のほかに「pips」があり、米ドル/円では1pips=1銭。
つまり0.2銭=0.2pipsです。
通貨ペアや注文方法など、この計算の前提になる基本は、FXの基礎知識まとめで整理しています。
スプレッドが広がる場面を知る
「スプレッドは0.2銭って書いてあったのに、いざ取引したらめちゃくちゃ広がってる!」
「朝の7時ごろ、時々スプレッドが開くのは何が起きているの?」
実は、「原則固定」とうたわれているスプレッドも、いつでも同じ幅が約束されているわけではありません。
米雇用統計のような重要な経済指標の発表前後は、相場が大きく変動し、スプレッドが広がる場合があります。
また、早朝や年末年始など、取引の参加者が少なく市場の流動性(取引のしやすさ)が下がる時間帯も、広がりやすいことが知られています。
これは故障でも異常でもなく、そのときの市場の状態が、スプレッドの幅にそのまま映っているだけです。
広がっている間は、同じ取引でもコストがふだんより大きくなります。
広がりやすい場面をあらかじめ知っておくだけで、突然の数字の変化にも、画面の前で慌てずに済みます。
