波動シグナル研究所です。
「上位足と下位足が逆方向のとき、どっちを信じればいいの?」
「日足が大事とは聞くけど、どの時間足をどう組み合わせればいいのか分からない」
「時間足を切り替えているうちに、自分が何を見ていたのか分からなくなる……」
複数の時間足を役割分担させて相場を見る方法は、マルチタイムフレーム分析(MTF分析)と呼ばれています。
むずかしそうな名前ですが、やることは「見る順番を決めておく」だけです。
マルチタイムフレーム分析とは
結論から言います。
マルチタイムフレーム分析とは、上位足で「方向」を決め、下位足で「タイミング」を計る、時間足の役割分担のことです。
車のナビにたとえるなら、上位足は広域地図、下位足は交差点の拡大図です。
広域地図でどの街へ向かうかを決めて、拡大図でどこを曲がるかを決める。
逆はありえませんよね。
目の前の交差点だけを見て走り出すと、曲がり方は完璧なのに、向かう街ごと間違えてしまいます。
分析がうまくいかないのは、センスの問題ではありません。
見る順番が毎回ちがうと、毎回ちがう景色に振り回される——仕組み上そうなるのが自然なのです。
上位足と下位足の役割分担
上位足(日足や4時間足など大きい足)の仕事は、進んでいい方向を教えること。
下位足(15分足や5分足など小さい足)の仕事は、入るタイミングを教えることです。
役割がちがうのだから、片方だけでは足りません。
上位足だけでは入り口が荒くなり、下位足だけでは向かう先を間違えやすくなります。
たとえば5分足だけを見て「強い上昇だ」と感じても、日足では下げの途中かもしれません。
これは下位足がウソをついているのではなく、タイミング担当の足に、方向まで聞いてしまっているのが原因です。
ふたつの足が逆方向を向く日もあります。
そういう日は上位足を軸にするか、見送る——というのが広く使われている考え方です。
よく使われる時間足の組み合わせ
組み合わせに決まりはありませんが、よく紹介されるのは大・中・小の3段構成です。
たとえばデイトレードなら「日足・1時間足・5分足」、数日持つスイングなら「週足・日足・4時間足」が、よく使われる例として知られています。
大きい足が方向、まんなかの足がつなぎ、小さい足がタイミング。
隣どうしが近すぎると景色がほぼ同じになり、離れすぎると流れのつながりが見えなくなります。
まずはどれかひとつに決めて、しばらく固定してみてください。
毎回ちがう足を見ていると、うまくいってもいかなくても、あとで検証のしようがなくなるからです。
どの組み合わせが合うかは、手法全体との相性で決まります。
手法の全体像は、FXの手法の選び方と全体像で整理しています。
MTF分析の3ステップ
やることを3つに固定します。
順番は必ず、大きい足から小さい足へ——一方通行です。
ステップ1:上位足で方向を決める
いちばん大きい足で、トレンドかレンジ(方向のない横ばい)かを確かめます。
高値と安値が切り上がっているか、切り下がっているかを見るだけで十分です。
ここで決めた方向は、下位足を見たあとに変えません。
先に下位足を見ると「入りたい気持ち」
が生まれて、あとから上位足に都合のいい根拠を探しにいってしまうからです。
ステップ2:中位足で位置を見る
まんなかの足で、いまの価格が節目(過去に何度も止められた価格帯)のどのあたりにいるかを見ます。
方向が合っていても、節目の直前なら急がない。
ここが「つなぎ」の仕事です。
方向が合っていて、位置も悪くない。
そこまで確かめてから、ようやく下位足の出番です。
ステップ3:下位足でサインを待つ
最後に、いちばん小さい足で入るきっかけを待ちます。
採用するのは、上位足の方向と同じ向きのサインだけ。
逆向きのサインは、見送りの合図と考えます。
「今日は入らない」と決められた日も、マルチタイムフレーム分析が仕事をした日です。
お気づきでしょうか。
この3ステップは、環境認識の「方向・位置・シナリオ」とほぼ同じ形です。
マルチタイムフレーム分析は、環境認識という器のなかで働く「見る順番の技術」なのです。
見る順番さえ固定できれば、毎日の分析は同じ道順の散歩に変わります。
迷いが減るのは、意思が強いからではなく、迷う余地を先に消してあるからです。
