波動シグナル研究所です。
「利を伸ばそうとすれば逆行するし、怖くなって早めに確定すれば伸びていく……FXの利確、難しすぎませんか?」
「勝率は高いはずなのに、なぜか口座残高が減っていく」
利益は小さいうちに確定してしまい、損失は大きくなるまで抱えてしまう
——この損益の形は、損大利小と呼ばれています。
性格の問題ではないので、安心して読み進めてください。
損大利小とはどんな状態か
結論から言います。
損大利小の直し方は1つだけ。決済ルール(利確と損切りの位置)をエントリー前に書き、入った後は一切触らないことです。
数字の設計をどうするかではなく、いつ決めるかという行動の話です。
この記事では、この1つだけを持ち帰ってもらいます。
損大利小とは、1回の利益が小さく、1回の損失が大きい損益の形のこと。
利益が消えるのが怖くてすぐ確定してしまうクセはチキン利食いとも呼ばれますが、入り口は同じ心の動きです。
これは意志の弱さの問題ではありません。
だから直すのも、根性ではなく行動の順番です。
なぜ自然に損大利小になるのか
含み損を抱えたとき、頭に浮かぶ言葉はだいたい決まっています。
「戻ってきてくれるだろう」「ここで切った瞬間に上がる気がする」。
そのまま祈るように持ち続ける状態には、お祈りトレードという呼び名までついています。
名前がつくほど、多くの人が同じ道を通っているのです。
一方で含み益が出ると、今度は「消えないうちに確定したい」が勝ちます。
利益の場面では早く逃げたくなり、損失の場面では取り返そうと粘る
——心の傾きは、最初から左右非対称なのです。
この傾きは、1979年にカーネマンとトヴェルスキーがプロスペクト理論として発表した、人間に共通する心の仕組みです(カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受賞しています)。
つまり、仕組み上そうなるのが自然。
あなたが弱いから負けるのではありません。
勝率が高いのに口座が減る仕組み
「コツコツ貯めた利益を、ドカンと一発で吹き飛ばした」。
この定番の自嘲にはコツコツドカンという名前があり、損大利小がそのまま口座に現れた姿です。
簡単な計算例を1つだけ(数字は説明のための自作例です)。
勝ち7回はすべて+10で確定し、負け3回はすべて−50まで育ててしまったとします。
+10×7回=+70。
−50×3回=−150で、合計は−80——勝率7割でも、口座は減ります。
利確が早いぶん、勝率の数字は立派に見えます。
でも1回の負けが大きければ合計はマイナス。
勝率と残高は、別物なのです。
こうした心の動きの全体像は、FXで勝てない本当の理由(トレード心理学ガイド)で整理しています。
損大利小の直し方は1つだけ
やることは1つだけです。
利確の位置と損切りの位置を、エントリーの前に紙やメモに書く。
そして入った後は、そのメモを書き換えない・注文を触らない。
判断をぜんぶ「入る前」に終わらせてしまうのです。
逆に、2つの位置が書けないなら、その日は入りません。
書けないのは、根拠がまだそろっていないサインだからです。
遊園地のジェットコースターの安全バーと同じです。
動き出す前に締めるから意味があるのであって、走行中に外したり締め直したりはしません。
なぜこれが効くのか。
冷静でいられるのは入る前だけで、ポジションを持った瞬間から、心はさっきの非対称な傾きに支配されるからです。
「損切り10pips・利確20pipsのように機械的に決めるのは、やめた方がいいですか?」
という相談もよく見かけます。
でも数字の良し悪しを磨くのは、その先の話です。
まずは入る前に決めて、後で動かさないこと。
数字がどうであれ、それ自体が心の傾きに引きずられない練習になります。
入った後にやっていいこと=何もしない
入った後の仕事は、見守ることだけです。
祈りたくなったら、それはメモを触るサインではなく、「次のメモをもっと丁寧に書こう」というサインです。
安全バーが守ってくれるのは、締めたまま最後まで座っている人だけ。
決済メモも、書いたまま動かさない人だけを守ってくれます。
この1つを続けるだけで、利益は書いた位置まで伸ばしやすく、損失は書いた位置で止まりやすくなります。
