波動シグナル研究所です。
「1回のトレードでいくらまで負けていいのか、その“金額”を決めないまま始めてしまっています」
「2%ルールがいいとは聞きました。でも“2%”がうちの資金だと結局いくらなのか、円に直せていません」
「勝てそうなときは多めに、不安なときは少なめに……と、そのときの気分でロットを変えてしまいます」
この記事では、1回のトレードで失ってよい「金額(円)」=許容損失額を、どう決めるかをやさしく整理します。「◯%」という割合を、自分の資金では具体的にいくらなのかへ翻訳し、その金額をいくらに置くかの考え方までをまとめます。ロットや損切り幅そのものの計算は別の話なので、ここでは“金額を決める”ところまでに絞ります。
許容損失額とは
結論から言います。
許容損失額とは、1回のトレードで失っても生活にも判断にも支障が出ない、あらかじめ決めておく損失の上限金額(円)のことです。
イメージは、買い物に出る前に財布から抜いておく“今日ここまで”の上限です。持って出た全額を財布に入れておくと、良さそうな物を見るたびに際限なく使ってしまいます。だから先に「今日は5千円まで」と決めて、それだけをポケットに入れておく。相場でも同じで、口座の残高そのものではなく、1回で切ってよい金額を“先に”決めておくと、その場の勢いで賭け金がふくらみません。
まず「割合」を「金額(円)」に翻訳する
よく使われるのが「1回の損失は資金の◯%まで」という割合の考え方です。ただ、割合のままでは注文の場面では使えません。%を、自分の資金での円に直すのが第一歩です。計算はとてもシンプルで、資金全体 × 許容する割合 = 1回の許容損失額。たとえば資金が50万円で割合を2%にするなら、50万 × 0.02 = 1万円。この1万円が「1回の負けで失ってよい金額」です。なぜ2%あたりが目安にされるのか、その割合の根拠は別に整理していますが、ここで大事なのは“割合を円に落とす”という橋渡しそのものです。
連敗しても退場しない金額か
金額を置くときの1つ目の軸が、続けて負けても口座が生き残るかです。相場では、負けが数回連なることは普通に起こります。1回の許容額を資金に対して小さめ(たとえば1〜2%程度)にしておくと、仮に何回か続けて負けても資金は一気には消えません。逆に1回で資金の2〜3割を賭けるような金額にすると、数回の連敗で立ち直れないところまで減ってしまいます。“1回で最大いくらまで”を小さく決めるほど、連敗という普通の出来事に耐えられる——これが金額を大きくしすぎない理由です。何回の連敗まで理論上もつかは割合しだいで変わり、その試算は別に整理しています。
具体的に見ると、さきほどの1万円(資金50万円の2%)なら、5回続けて負けても損失は合計5万円で、口座には45万円が残ります。ところが同じ50万円で1回5万円(10%)を賭けていたら、同じ5連敗で25万円——資金の半分が消えます。連敗の回数は同じでも、1回の金額を小さく決めてあるかどうかで、手元に残るものはまるで違ってきます。
メンタルが平常でいられる金額か
2つ目の軸は、その金額で自分の判断が歪まないかです。金額が大きすぎると、含み損が気になって手が止まったり、逆に取り返そうと次で無理をしたりと、行動が乱れます。目安になるサインがいくつかあります。ポジションを持つと落ち着かずチャートばかり見てしまう、決めていた損切りを“もう少し”と先延ばししてしまう、負けた直後に金額を倍にして取り返したくなる——こうした反応が出るなら、その金額は自分にとって大きすぎる可能性があります。数字の上で許せる額と、心が平常でいられる額のうち、小さいほうを採るのが安全です。
たとえば計算の上では2%=1万円まで許せても、その1万円の含み損が気になって眠れないのなら、その人にとっての適正はもっと下——5千円かもしれません。数字より心のほうが先に音を上げる、というのはよくあることです。
ここで決めた「1回いくらまで」を、ロットや損切り幅とどう噛み合わせていくかは、FXの資金管理の全体像をまとめたガイドで順番に整理しています。
