波動シグナル研究所です。
「なんとなく上がりそうな気がして、気づいたらエントリーしていた」
「勝っても負けても、あとから理由をうまく説明できない」
「ポジションを持っていないと落ち着かなくて、つい入ってしまう……」
エントリーの前に持っておく「入る理由」は、エントリー根拠と呼ばれています。大事なのは、経験やセンスではなく「穴埋めの型」です。
エントリー根拠とは何か
結論から言います。
エントリー根拠とは、「なぜ今ここで入るのか」を1行の文章で言える状態のことです。
横断歩道を渡るとき、私たちは「渡れそうな気がするから」ではなく「信号が青だから」渡ります。理由が先に決まっているから、迷いませんし、あとで人に説明もできます。
エントリーも同じです。「上がりそうな気がする」は、信号ではありません。自分専用の青信号をあらかじめ1行の文章で決めておく——それがエントリー根拠です。
この1行が先にあると、値動きに追いかけられて飛び乗るのではなく、条件がそろうのを待って迎え入れるトレードに変わっていきます。
なんとなくエントリーが続く原因
先にお伝えしたいのは、なんとなく入ってしまうのは意志が弱いからではない、ということです。仕組み上、そうなるのが自然です。
チャートは、開いている間ずっと動き続けます。動いているものを眺めていれば、どこもかしこも「今がチャンス」に見えてくる。ポジションがないと落ち着かない状態は、ポジポジ病と名前がつくほど、よくある悩みです。
さらにやっかいなことに、人間は入ったあとからでも理由を作れます。あとから探せば、「線の上だったから」「勢いがあったから」と、理由はいくらでも見つかってしまうのです。
つまり「あとから思えば根拠はあった」は、いつでも作れてしまう。だから、入る前に書いたものだけを根拠と呼ぶ、と決めます。
順番を逆にするだけです。理由を先に、注文をあとに。「1行書けたときだけ入る」に変えると、なんとなくの入り込むすき間が少しずつなくなっていきます。
エントリー根拠の言語化テンプレ
とはいえ、白紙に理由を書くのはむずかしいものです。そこで、3つの穴を埋めるだけの型を使います。
【流れ】だから、【場所】で【合図】を確認したら、入る。
3つの穴の意味
流れは、日足や4時間足といった大きい足の方向。場所は、過去に何度も価格が止められている節目。合図は、その場所で実際に出た値動きの反応です。
この3つは、環境認識で決めた「方向・位置・シナリオ」と、そのままつながっています。環境認識が出発前の地図なら、エントリー根拠は「目的地の入り口に着いた」と声に出して確かめる作業です。
コツは、穴を増やさないこと。根拠は多いほど強そうに見えますが、4つも5つも重ねると、今度は1行で書けなくなります。まずはこの3つだけで十分です。
例文で見る使い方
たとえば、こんな1行になります(特定の通貨ペアの話ではなく、型の練習例です)。
「日足の流れが上だから、押し目の節目で反発を確認したら、買う」
「4時間足の流れが下だから、戻りの節目で上値が抑えられたら、売る」
「流れは上だが、節目までまだ遠い中途半端な位置。だから、今日は入らない」
3つ目の例文に注目してください。「入らない」も、立派な根拠の1行です。むしろ、書いた文章の多くが「入らない」で終わる日のほうがふつうです。
この型は単独の技ではなく、手法全体の流れ(環境認識→シナリオ→エントリー→決済→検証)の一部です。全体の地図は、FXの手法の選び方と全体像で整理しています。
根拠が書けない日は入らない
テンプレを使っても、穴が埋まらない日があります。流れがはっきりしない。節目が近くにない。合図が出ない。
そういう日は、無理に埋めようとせず、書けない=根拠がない=入らないと判断します。1行にならない気持ちは、根拠ではなく、まだ予感です。
埋まらない穴を予感でふさいで入った日こそ、「なんとなくエントリー」に逆戻りする日です。
そして、書けた1行は捨てずに残してください。あとから見返せば、「どの根拠のときにうまくいきやすかったか」を自分のトレードで確かめられます。なんとなくの記憶は検証できませんが、1行の文章は検証できます。
