波動シグナル研究所です。
「±2σにタッチしたから逆張りしたのに、そのままバンドに沿って走り続けて大損した……」
「2σで跳ね返る確率は95%と言われていますが、実際はどうなんでしょうか?」
「ボリンジャーバンドって、2σだけ見ておけば良くないですか?」
移動平均線の上下に帯のように広がるこの線は、ボリンジャーバンドと呼ばれています。
難しい道具ではありません。
大事なのは、センスではなく「どこを見るか」です。
ボリンジャーバンドとは何か
結論から言います。
ボリンジャーバンドは、価格が跳ね返る壁ではなく、値動きの幅(ボラティリティ)を見る道具です。
川にたとえてみます。
水面が岸に近づいても、必ず引き返すとは限りません。
流れの勢いが強いときほど、川幅ごと広がって、水はそのまま流れ続けます。
バンドも同じです。
価格が帯の端に近づいても、必ず戻るとは限らず、勢いが強いときほど幅ごと広がってそのまま進み続けます。
設定は「期間20の移動平均±2標準偏差」がデフォルト——計算式には踏み込みません。
まずは名前だけ知っていれば十分です。
±2σ逆張りが危ない理由
バンドウォークで損が膨らむ
価格がバンドに沿って走り続ける動きは、バンドウォークと呼ばれています。
強いトレンドが出ているとき、±2σタッチは反転の合図ではなく、勢いの表れとして出てきます。
ここで逆張りすると、「反発だと思って入ったら、張り付いたまま戻ってこない」状態に。
戻りを待つほど、含み損は膨らみやすくなります。
しかも走っていく途中には、何度も「今度こそ戻りそうな小さな押し」が挟まります。
ここで粘ってしまうのが、バンドウォークの怖いところです。
開発者のジョン・ボリンジャー本人も、公式ルール(bollingerbands.com)で明言しています。
「バンドへのタッチはあくまでタッチであり、シグナルではない」。
そして「バンドの外で引けた終値は、反転ではなく継続のシグナル」。
±2σ超えは、むしろトレンドが続く側のサインだったわけです。
とはいえ、壁のような線が引いてあれば逆張りしたくなるのが自然です。
責められるべきは、「壁に見える」見た目のほうです。
95%は反発の確率ではない
「±2σの内側に95.4%が収まる」
という数字も、正規分布を仮定した場合の理論値です(±1σ約68.3%・±3σ約99.7%も同じ)。
跳ね返る確率を示す数字ではありません。
この理論値が独り歩きして、「95%の確率で跳ね返る壁」というイメージが広まりました。
数字そのものは本物でも、意味の取り違えが起きているわけです。
しかも本人の公式ルールには「統計的な仮定を置くな。
実際にバンド内に収まるのは約90%」とあります。
数字を根拠にした逆張りは、開発者自身が土台から否定しているのです。
バンドが示すのは値動きの幅
バンドの幅が狭いときは、相場が静かで値動きが小さいとき。
幅が広いときは、相場が荒れて値動きが大きいときです。
幅は、いまの相場の元気を映す体温計のようなものです。
川のたとえに戻ります。
見るべきは「岸の位置」ではなく「川幅の変化」。
バンドは入る場所を教える線ではなく、いまの相場の呼吸の大きさを教える線です。
だから、価格が線に触れたかどうかを数えるより、幅が縮んでいるか・広がっているかを眺めるほうが、この道具の設計に合った見方になります。
テクニカル指標全体のなかでのボリンジャーバンドの位置づけは、テクニカル分析の教科書で整理しています。
スクイーズから広がりを読む
見る流れは3つだけです。
①幅がぎゅっと縮む=スクイーズ(力を溜めている)。
②幅が一気に広がる=エクスパンション(動き出した)。
③バンドの外で終値が引け続ける=バンドウォーク(継続のサイン)。
深呼吸の前に、息を大きく吸うための静かな瞬間があります。
相場も同じで、大きく動く前ほど幅が縮んで静かになりやすい
——その静けさを教えてくれるのがスクイーズです。
順番が大事です。
広がってから慌てるのではなく、縮んでいる段階から「そろそろ動くかもしれない」と構えておく。
これだけで、バンドは逆張りの道具から観察の道具に変わります。
