波動シグナル研究所です。
「移動平均線は分かったけど、MACDになると急に難しく感じる……」
「ゴールデンクロスしたのに上がらない。
クロスを見て買ったのに、逆に動いた」
「ヒストグラムの棒グラフが、何を表しているのか分からない」
チャートの下の段に表示される、あの2本の線と棒グラフは、MACD(マックディー)と呼ばれています。
難しそうに見えますが、正体は移動平均線の親戚です。
見る場所も、実は3つしかありません。
MACDの正体は移動平均線の差
結論から言います。
MACDは、2本の移動平均線の「差」がどう変わっているかを、ひと目で見る指標です。
車の運転にたとえるなら、車間距離です。
前を走る車が短期の移動平均線、後ろを走る車が長期の移動平均線。
車間距離がぐんぐん広がっていれば、前の車は勢いよく加速しています。
縮まってきたら、勢いが衰えてきたサイン。
MACDは、この車間距離を1本のメーターにした道具です。
考案したのは、米国の分析家ジェラルド・アペル氏。
1970年代に生まれ、半世紀ちかく世界中で使われ続けてきた定番の指標です。
長く残ってきた理由のひとつは、読み方のシンプルさ。
移動平均線が読めるようになっていれば、MACDを読む準備はもう整っています。
MACDの見方は3つだけ
MACDの画面にあるのは、MACDライン(2本の移動平均線の差そのもの)、シグナルライン(MACDラインをさらにならした線)、棒グラフのヒストグラム、そして水平なゼロラインの4つです。
部品は4つですが、見る場所は次の3つだけです。
2本の線のクロス
MACDラインがシグナルラインを上に抜けたらゴールデンクロス、下に抜けたらデッドクロス。
勢いの変わり目の「候補」が出た場面です。
ただし、クロス=買いのサインではありません。
「風向きが変わったかもしれない」という合図にとどめて受け取ります。
ゼロラインとの位置
MACDラインがゼロより上にあれば、短期線が長期線の上にいる状態。
ゼロより下なら、その逆です。
クロスが「変化の瞬間」を知らせるのに対し、ゼロラインはいまどちら側の世界にいるのかという背景を教えてくれます。
ヒストグラムの伸び縮み
あの棒グラフの正体は、MACDラインとシグナルラインの差です。
2本の線の開き具合を、棒の長さで表しています。
棒が伸びていれば勢いが加速中、縮んできたら減速中。
線のクロスを待たずに、勢いの変化を先に見せてくれる場所です。
MACDの設定は変えなくていい
「6・19・9、12・26・9、19・39・9……有名な数値がいくつもあって、結局どれを使えばいいのか分からない」——設定画面を開くと、こんな迷いが生まれます。
事実から紹介すると、初期設定は12・26・9(短期EMA12・長期EMA26・シグナル9)。
多くのチャートツールに、この数値が標準で入っています。
意味は「12本ぶんの平均と26本ぶんの平均の差を、9本ぶんでならして見る」。
それだけです。
考案者のアペル氏自身は、短期用に6・19・9、中期用に12・26・9、長期用に19・39・9という使い分けを示していて、そのうち中期の12・26・9が標準として広まりました。
つまり12・26・9は、世界中の参加者が同じ画面を見ている「共通言語」。
まずは初期設定のまま、見え方に慣れていくのがおすすめです。
MACDをふくめた指標ぜんたいの地図は、テクニカル分析の教科書で整理しています。
MACDが苦手な相場もある
「レンジ相場だとダマシばかりで機能しない」
——この感覚は正しくて、仕組み上そうなるのが自然です。
MACDは移動平均線の「差」、つまりトレンドの勢いを見る道具です。
方向のないレンジ相場では、2本の線がくっついたまま、小さなクロスを何度も繰り返します。
車間距離のたとえに戻ると、渋滞の中では、車間が開いたり詰まったりを細かく繰り返すのと同じです。
前の車が本気で加速していないのだから、メーターも小刻みに揺れるだけ。
トレンドで働きやすく、レンジではダマシが増える
——これはMACDの弱点というより、性格です。
