波動シグナル研究所です。
「引き方は簡単そうに見えるのに、実際のチャートには高値も安値もいっぱいあって、どこに引けばいいのか迷ってしまう」
「基本はヒゲ先で引いているけれど、みんなは実体とヒゲ先のどちらで引いているんだろう」
「きれいな線が引けていないのに、なんとなく引いてしまう……」
高値どうし・安値どうしを結んだ斜めの線は、トレンドラインと呼ばれています。
うまく引けないのはセンスの問題ではなく、毎回の手つきが変わっているだけです。
トレンドラインとは斜めの線
結論から言います。
トレンドラインに「正解の1本」はありません。基準を先に決めて、毎回同じように引き直せる状態にすることが目的です。
歩いて登った坂道を思い出してください。
トレンドラインが残しているのは「どのくらいの傾きで、ここまで登ってきたか」という記録です。
つまり斜めの線が写しているのは価格そのものではなく、上がり方・下がり方のスピードです。
横に引く水平線が「どこで止まったか=価格の帯」
の話なのに対して、斜めの線は「勢いと時間」の話。
役割が違うので、混ぜて考えないほうが迷いません。
坂の傾きがゆるくなってきたのか、それとも急になってきたのか。
そこが見えるだけでも、いまの流れを「まだ速いのか、落ち着いてきたのか」
という言葉で持てるようになります。
2点で引いて3点目で確かめる
手順は3つだけです。
まず、上昇している場面では安値と安値を、下降している場面では高値と高値を結びます。
引く対象がこの2種類しかない、というのがトレンドラインの「種類」の中身です。
上昇なら下側からの斜めの線、下降なら上側からの斜めの線になります。
結ぶ点には、目立つ折り返しだけを選びます。
細かなギザギザまで拾おうとすると候補の点が増えすぎて、どこを結ぶかで毎回ちがう線ができてしまいます。
線そのものは2点あれば決まります。
ただ2点だけでは、たまたま並んだ2点かもしれません。
だから3点目を待ちます。
3点目でも同じ線の近くまで来て向きが変わったなら、その線は多くの参加者に意識されやすくなります。
反発の回数は3〜4回を目安と説明されることが多いのですが、回数そのものより「同じ線を使い続けられているか」を見てください。
3点目は、線が当たるかどうかを予想する場所ではありません。
引いた線がこれからも使えるかを確かめる場所です。
なお、線を割ったあとに本物の抜けかどうかを確かめる手順は、別記事で扱います。
ここでは引くところまでに集中します。
ヒゲか実体かを先に決める
いちばん多い迷いが、ここです。
ローソク足のヒゲ先を基準にするのか、実体の端を基準にするのか。
経験者のあいだでも「基本はヒゲだけれど、長いヒゲだと傾きが強く出るので全体を見て決める」
「迷うのはチャートを点でしか見ていないから」と答えは割れていて、決着していません。
図のとおり、同じ値動きでも基準を変えれば線の位置と傾きはズレます。
だからこそ、引く前にどちらを使うか決めて、そのあとは動かさない。
これが2つめの手順です。
基準が固定されていれば、思ったような反応が出なかったときに「基準の問題か、場面の問題か」
を切り分けられます。
毎回変えていると、何を直せばいいのかがわかりません。
「どちらが正しいか」を探しているあいだは、迷った回数だけ線が増えていきます。
決められないのではなく、決める順番が逆になっているだけです。
ちなみに線の傾きは、チャートの表示の縦横比でも変わります。
角度そのものを根拠にしないでください。
斜めの線が他の道具とどうつながるのかは、テクニカル分析の教科書で全体像として整理しています。
線は2本までに絞る
最後は本数です。
線を引きすぎたチャートが読めなくなるのは、意志が弱いからではありません。
見比べる対象が増えると、基準そのものがぶれるからです。線が7本あれば、どれか1本は値動きの近くを通ります。近くにあった線を後から選ぶのは、分析ではなく後づけです。
だから2本まで。
そして、きれいな線が引けない日は引かない、時間足を変えて見てみる、という選択も持っておいてください。
引かない判断も、手つきの一部です。
本数を絞ると、線を引いている時間よりも「その線がまだ生きているか」
を見ている時間のほうが長くなります。
それが、毎回同じ手つきで引き直せている状態です。
