波動シグナル研究所です。
「ダウ理論が大事とは聞くけど、6つの法則を覚えただけで終わってしまった」
「どこを高値・安値と見ればいいのか、チャートのギザギザを前に毎回迷う」
「トレンド転換のサインで入ったのに、だましにあった気がする……」
高値と安値の動きだけで相場の方向を判断する考え方は、ダウ理論と呼ばれています。むずかしそうな名前ですが、毎日使う部分は「2つの点を見比べる」ことだけです。
ダウ理論とは何か
結論から言います。
ダウ理論の見方は、高値と安値が「切り上がっているか、切り下がっているか」を見ることだけです。
ダウ理論は、100年以上前にアメリカの記者チャールズ・ダウが遺した、相場分析の土台になる考え方です。よく「6つの法則」として紹介されますが、最初に全部を暗記する必要はありません。
毎日のチャートで実際に使うのは、「トレンドは、明確な転換のサインが出るまで続く」という1つだけ。そのサインを読み取る道具が、高値と安値です。
残りの法則がいらないという意味ではなく、順番の話です。高値と安値で方向が読めるようになると、ほかの法則もすっと頭に入るようになります。
高値と安値で方向を読む
チャートはまっすぐには進まず、ジグザグの波を描きながら動きます。波の山が高値、波の谷が安値です。
前の山より高い山、前の谷より高い谷。両方がそろって切り上がっていれば上昇トレンド。反対に、山も谷も切り下がっていれば下降トレンドです。
たとえば、山の高さが110→112、谷の深さが108→109と進んでいれば、頂上も底も一段ずつ高くなっています。これが「切り上げ」の状態です。
海の潮にたとえるなら、1つ1つの波は寄せては返すの繰り返しです。それでも、波が届く位置(高値)と引いていく位置(安値)が少しずつ砂浜の上へ進んでいれば、潮が満ちてきているとわかります。引き潮なら反対に、波の届く位置は少しずつ後ろへ下がっていきます。
山と谷がどちらにもそろっていないならレンジ(方向のない横ばい)です。無理に方向を決めなくていい場面だと分かることも、ダウ理論の大事な仕事です。
どの山と谷を見るか
ここでいちばん多いつまずきが、「どのギザギザを高値と数えればいいの?」という迷いです。細かく見るほど山と谷は無数にあり、数えるたびに答えが変わってしまいます。
目安はシンプルです。チャートを少し引いて見たときに、パッと目に入る大きな山と谷だけを数えます。細かいギザギザは波ではなく「波しぶき」なので、無視してかまいません。
「山」と呼んでいいのは、左右に自分より低い点を従えた、頂上らしい頂上だけです。となりの点よりほんの少し高いだけの出っぱりは、山には数えません。
それでも迷う日は、1つ大きい時間足で同じチャートを見てみてください。無数にあった山と谷が、数えられる本数まで減ります。遠くから見るほど、本当の起伏が見えてくるからです。
なお、ここで覚えた高値と安値の読み方は、移動平均線などほかの道具を学ぶときの土台にもなります。テクニカル分析の全体像は、テクニカル分析の教科書で整理しています。
ダウ理論の転換サイン
上昇トレンドの終わりは、2段階で現れます。まず、前の高値を超えられない山ができる。次に、直近の安値を下に割る。
この「直近安値割れ」が、ダウ理論のいうトレンド転換のサインです。下降トレンドなら反対に、直近の高値超えがサインになります。「安値割れが出るまではまだ上昇」——この線引きが、あいまいな不安と根拠のある警戒を分けてくれます。
注意したいのは、これは「反対へ進む確定の合図」ではなく、「いまの方向を疑い始める合図」だということです。サインのあとで元の方向へ戻ることも、ふつうにあります。
だから、サインどおりに入って「だまされた」と感じた経験は、読み方の失敗ではありません。仕組み上、転換のサインはトレンドがしばらく進んだあとに出るものだからです。
逆にいえば、直近の安値を割るまでは「上昇はまだ続いている」とみなします。波が一休みするたびに目線をころころ変えなくていい、と教えてくれるのもこのサインです。
高値と安値は、どのインジケーターよりも先に、チャートが直接見せてくれるいちばん素の情報です。まずは今日のチャートで、大きな山と谷に印をつけるところから始めてみてください。
