波動シグナル研究所です。

「グランビルの法則ってあるけれど、結局どの足で、どのくらいの移動平均線を設定すればいいのか分かりません」

「グランビルの法則の必勝法ってありますか?」

「いつかは移動平均線の方に戻ってくるんでしょうけど、それが今なのか後なのかは分からない。
そんな法則、役に立たなくないですか?」

移動平均線(MA)と価格の位置関係から、売買のタイミングを8つの型に整理した考え方は、グランビルの法則と呼ばれています。
8つと聞くと身構えますが、大丈夫。
全部を暗記する必要はありません。

グランビルの法則とは

この記事でわかること。1 グランビルの法則とは(移動平均線と価格の距離の読み方)、2 8つの型は買い4・売り4の対称構造、3 よく参照される押し目と乖離の読み方。
この記事の全体像。覚える形は実質4つまで減らせます

結論から言います。

グランビルの法則とは、移動平均線の向きと、価格との距離から売買の型を8つに整理した考え方です。

考案したのは、米国の株式アナリスト、ジョセフ・E・グランビル(1923-2013)。
1960年の著書『A Strategy of Daily Stock Market Timing for Maximum Profit』(Prentice-Hall)で、8つの売買ルールとして示されました。

イメージは、飼い主(移動平均線)と散歩中の犬(価格)です。
犬はリードの届く範囲で先に行ったり戻ったりしますが、進む方向を決めているのは飼い主のほうです。

グランビルの法則が見ているのも同じで、犬がいまリードのどのあたりにいるか
つまり、価格と移動平均線の距離と向きです。

リードが伸びきっているのか、たるんでいるのか。
8つの型は、その距離の状態に場面ごとの名前を付けて整理したものです。

8つの型は買い4つと売り4つ

8つの型の内訳は、買いの型が4つ、売りの型が4つ
しかもこの2組は対称で、買いの4つを上下ひっくり返すと、そのまま売りの4つになります。

グランビルの法則の8つの型の全体像。1本の移動平均線の下側に買い1〜4、上側に売り1〜4が対称に並び、上下反転すると同じ形になる。
8つの型は買い4・売り4。上下ひっくり返すと同じ形

つまり、覚える形は実質4つだけ。
見るポイントも、移動平均線の向き・価格が線の上か下か・線からの距離の3つに集約されます。

実際、8つの中には出番の少ない型や、判断のむずかしい型も混ざっています。
8つを同列に使いこなす必要は、最初からないのです。

よく参照されるのは押し目と乖離

実務でよく参照されるのは、8つのうち2つ。
法則2(押し目)法則4(乖離)です。
この2つが読めれば、「距離の読み方」の芯はつかめます。

法則2:押し目はMAへの接近

法則2(押し目)の模式図。上向きの移動平均線に向かって価格がいったん近づき、距離が縮んでから再び離れていく場面。
押し目=離れていた距離が縮む場面

上向きの移動平均線に向かって、価格がいったん戻ってくる。
離れていた距離が縮む場面、これがいわゆる押し目です。

散歩にたとえるなら、先に走っていた犬が飼い主のそばまで戻ってきた場面です。
飼い主が同じ方向に歩き続けているなら、犬はまた前へ出やすい——法則2は、そういう型です。

ポイントは、移動平均線が上を向いたままであること。
飼い主が進む方向を変えていないことが、この型の前提になります。

法則4:乖離は距離の広がり

法則4(乖離)の模式図。移動平均線から価格が大きく離れた距離を両矢印で示した図。乖離したまま伸び続ける場合もあるという注意書き付き。
乖離=距離の広がり。戻る時期までは教えてくれない

反対に、価格が移動平均線から大きく離れてしまう場面もあります。
この距離の広がりが乖離(かいり)です。
離れすぎた距離は、いつか縮む方向へ動きやすい——これが法則4の考え方です。

⚠️ 注意ただし、乖離したまま価格が伸び続けることも多くあります。「離れすぎだから逆に入る」という逆張りの根拠として、乖離を単体で使うのは危険です。

冒頭の「いつ戻ってくるかは分からない」という声は、そのとおりです。
法則4は戻る時期を当てる道具ではなく、いまの距離が普段より異常かどうかを測る物差しなのです。

この物差しが、ほかの道具とどう組み合わさるのか。
テクニカル分析全体のなかでの位置づけは、テクニカル分析の教科書で整理しています。

グランビルの法則は距離の読み方

冒頭のもうひとつの声、「必勝法はありますか?」にも答えます。
残念ながら、必勝サインは存在しません。

法則が教えてくれるのは、価格と移動平均線の距離の、どこに注目するかという目の付けどころです。

ちなみにグランビル自身は、原著で200日移動平均線をもっとも信頼できる基準線としていました。
ただしこれは日足の株式市場を前提にした話で、FXの短い時間足では文脈が異なります。
「200日が正解」という意味ではありません。

では自分はどの期間の線を使えばいいのか
——その設定の考え方は、それだけで1本の記事になるテーマなので、ここでは踏み込みません。

まずは、いま見ている移動平均線と価格の距離。
そこに自然と目が行くようになれば、この法則はもう十分に仕事をしています。

📋 まとめグランビルの法則は、移動平均線と価格の距離の読み方。8つの型は買い4・売り4の対称構造で、覚える形は実質4つ。深掘りは押し目(法則2)と乖離(法則4)の2つで十分。必勝サインではなく、距離の異常を測る物差し。