波動シグナル研究所です。
「フィボナッチリトレースメントの引き方を教えてください」
「引き方が逆かも……どっちが0で、どっちが100?」
「線は引けるようになったのに、フィボナッチを使いこなせない」
高値と安値のあいだに目盛りを入れて「どこまで戻るか」
を測るこの線は、フィボナッチリトレースメントと呼ばれています。
名前はいかめしいですが、やることはものさしを当てるだけです。
フィボナッチとは何を測る線か
結論から言います。
フィボナッチリトレースメントは、押し目・戻りの深さを測るものさしです。
ゴムひもにたとえてみます。
強く引っぱって伸ばしたゴムひもは、手をゆるめると途中まで縮んで戻ります。
「どこまで縮んだか」に目盛りを当てるのが、この線の役割です。
相場も同じで、大きく上げたあとにいったん下げて、また上げ直すことがよくあります。
この「いったん下げ」が押し目、下降の途中の「いったん上げ」が戻りです。
使いこなせないと感じるのは、道具のせいでもセンスのせいでもありません。
多くの場合、引き方が毎回ブレているのが原因です。
次の3ステップで固定しましょう。
引き方は3ステップで固定する
チャート上の2点を選ぶと、ツールが38.2%などの水準線を自動で表示してくれます。
迷いが生まれるのは、次の3か所だけです。
スイングを選ぶ
スイングとは、チャートのジグザグの「ひと振り」のこと。
直近で目立つ安値と高値のセットを選びます。
候補が2つあって迷ったら、大きいほうのスイングを選びます。
大きい動きほど、多くの人の目に入っているからです。
引く方向を決める
上昇の押し目を測るなら、安値から高値へ引きます。
下降の戻りなら、高値から安値へ。
ドラッグの始点が0%、終点が100%です。
逆に引くと0%と100%が入れ替わり、同じ38.2%でも指す場所がズレてしまいます。
「測りたい動きの始まりが0%」と覚えれば、迷いにくくなります。
表示は38.2・50・61.8だけ
ツールにはたくさんの比率が入っていますが、表示は38.2%・50%・61.8%の3本に絞ります。
線を増やすほど、どれかには当たって見えてしまうからです。
ものさしの目盛りは、少ないほうが読みやすくなります。
比率が意識される本当の理由
38.2や61.8は、フィボナッチ数列(1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89…)から来た数字です。
隣り合う項で割ると55÷89≒0.618、2つ後の項で割ると34÷89≒0.382。
足すと61.8%+38.2%=100%になる、きれいな性質があります。
一方で、50%は厳密にはフィボナッチ比率ではありません。
「半分戻し」の分かりやすさから、慣習としてセットで使われてきた水準です。
では、なぜこの比率が相場で意識されるのでしょうか。
黄金比の魔法が価格を動かしているから——ではありません。
世界中の参加者が同じスイングに同じ線を引き、同じ場所を見ているから、そこが意識されやすくなるのです。
多くの人が同じ目盛りを見ていれば、その目盛りの近くに注文や視線が集まりやすくなります。
何度も価格が止まった節目が意識されるのと、同じ理屈です。
だからこの線は「61.8%で必ず反発する魔法の線」
ではなく、「反発を意識する人が集まりやすい目安」として使います。
こうした「多くの参加者が見ている場所」
を軸にチャートを読む考え方の全体像は、テクニカル分析の教科書で整理しています。
ヒゲか実体かはルールで固定する
最後に残る迷いが、「ヒゲの先端に合わせるか、ローソク足の実体に合わせるか」です。
実は、これに唯一の正解はありません。
人によって引き方が違うのは、あなたの理解不足のせいではなく、正解が1つに決まらない道具だからです。
だからこそ、自分のルールを先に決めて、毎回同じに引くことがいちばん大事になります。
たとえば「ヒゲの先端に合わせる」
「スイングは大きいほうを選ぶ」「引き直すのは高値・安値が更新されたときだけ」。
この3つを決めておけば、線は毎回同じに引けます。
引いた線がすぐに機能しなくても、ルールをコロコロ変えないこと。
ものさしを替え続けると、測った結果を見比べられなくなるからです。
