波動シグナル研究所です。
「同じ形、同じセットアップなのに、伸びる日と全然動かない日がある」
「東京時間は、思ったより動かない……」
「動かない時間なのに1日中チャートを見て、無理に入ってしまう」
この「伸びる」と「動かない」
の分かれ目にある、大口の注文が集中しやすい時間帯は、キルゾーンと呼ばれています。
物騒な名前ですが、こわい話ではありません。
キルゾーンとは何か
結論から言います。
キルゾーンとは、大口の注文が集中しやすく、値動きが活発になりやすい時間帯のことです。
「特別な必勝時間」でも「狩られる恐怖の時間」でもありません。
実際にトレードしている人たちの間でも、「単に取引が活発になる時間帯を指しているだけ」
と、いたって落ち着いて語られています。
同じ形なのに結果がちがうのは、あなたの見方が悪いからではありません。
そのとき市場にいる参加者の量が、時間によって大きく変わるからです。
「動かない時間に無理に入ってしまう」のも、仕組み上そうなるのが自然です。
市場が静かな時間は、どんなにきれいな形でも、途中で止まりやすいのです。
なぜ時間帯で値動きが変わるか
商店街にたとえてみます。
朝は常連さんだけの静かな時間。
夕方に一番大きな市場が開店して、人がどっと入れ替わり、通りが一気ににぎわう。
夜にはもう一軒の大型店も開いて、客足が重なる——。
為替市場も、これと同じ1日を過ごしています。
東京時間が静かな朝、ロンドン時間が一番大きな市場の開店、ニューヨーク時間がもう一軒の大型店です。
常連さんしかいない朝の通りでは、呼び込みをがんばっても人は増えません。
値動きも同じで、大きなお金が入ってくる時間だけ、価格は遠くまで歩けるのです。
「東京時間のレンジが、ロンドン時間に入ったとたん急に動き出した」
という経験談は、検証ブログなどでもくり返し語られています。
参加者が入れ替わる時間だからです。
とくに日本時間の21時頃〜翌2時頃は、ロンドンとニューヨークの取引時間が重なり、取引量が多くなりやすい時間帯です。
また、ロンドンオープンの時間帯は、その日の高値・安値をつけやすいともされています。
キルゾーンの日本時間の目安
キルゾーンは、もともとニューヨーク時間を基準に4つに分けて定義されています。
日本時間に直すと、次のような目安になります。
| キルゾーン | 夏時間の目安 | 冬時間の目安 |
|---|---|---|
| アジア | 9時〜13時 | 10時〜14時 |
| ロンドンオープン | 15時〜18時 | 16時〜19時 |
| NYオープン | 20時〜23時 | 21時〜24時 |
| ロンドンクローズ | 23時〜翌1時 | 0時〜2時 |
表の外の時間は動かない、という意味ではありません。
にぎわいの中心がこのあたりにある、という区切りです。
4つすべてを監視する必要もありません。
自分の生活リズムと重なるゾーンをひとつ決めて、そこだけ定点観測するほうが続けやすくなります。
こうした時間の考え方は、大口の動きを読む分析の枠組みの一部です。
全体像は、スマートマネーコンセプト(SMC)の全体像で整理しています。
時間だけを根拠に入らない
ここまで読むと、「キルゾーンの中で入れば伸びるのでは」と思いたくなります。
でも、キルゾーンは「どの場面を選ぶか」までは教えてくれません。
順番が逆なのです。
実際、「形だけで飛び乗ると、一番やられやすい時間」という声もあります。
値動きが活発ということは、根拠のない場所で入れば、逆方向に振り回されるのも速いということだからです。
先に決めるのは、いつも場所(価格帯の根拠)です。
時間は、その場所に価格がやって来るのを待ち伏せるための、後押しの条件にすぎません。
だから、キルゾーンの中でも、根拠のある価格帯に価格が来ていなければ見送り。
逆に場所の根拠があっても、市場が眠っている時間なら、動き出すまで待つ選択肢が生まれます。
言い換えるなら、キルゾーンは待ち伏せの時刻表であって、入場券ではありません。
時刻表だけ握りしめても、会う場所を決めていなければ、誰にも会えないのです。
