波動シグナル研究所です。
「過去5年分を検証して結果が良かったので本番に挑んだのに、検証したときほど良い結果は出せていません」
「手法は検証で使った通りに実際にやっているのに、なぜか崩れていく……」
「検証では勝てたのに、実際は全然違うじゃん」
過去の値動きに合わせて条件を足しすぎた状態は、カーブフィッティング(過剰最適化・オーバーフィッティング)と呼ばれています。
仕組みのうえでそうなるのが自然で、悪いのはあなたではなく「良くしようとして条件を足した動き」のほうです。
カーブフィッティングとは
結論から言います。
検証では良かったのに本番で崩れるのは、手法が合わないからではなく、過去の値動きに合わせて条件を足し込んだからです。
本番との差には、取引コストや、リアルタイムでは判断がぶれることも関わってきます。
ここではそれらは扱わず、ルールの作り方だけを点検します。
過去チャートを進めて数える手順そのものは、バックテストのやり方の記事が担当しています。
この記事は、その途中で起きる「都合のいい場面だけ数えてしまう」
失敗に名前を与えて、点検の手順を渡す側です。
検証の結果が良かったこと自体は、うそではありません。
ただ、それが「答えを見ながら作ったルールの点数」
だったのかどうかは、作り方をたどらないと見えてきません。
だから最初に、疑う先を移します。
手法でもメンタルでもなく、ルールを作った過程です。
条件を足すほど過去にだけ効く
過去問を思い出してください。
答えを見ながら解いた点数は、満点に近づいていきます。
でも、その点数が表しているのは実力ではなく、答え合わせのうまさです。
だから初見の模試になると、同じ点数は再現しません。
検証で起きているのも、これと同じです。
すでに結果がわかっている値動きを見ながら、負けた場面を外すための条件を足していく。
すると、その期間の成績だけがきれいに整っていきます。
整っているのは実力ではなく、当てはめの精度のほうです。
ルールを複雑にするほど、過去の値動きのたまたまの揺れまで拾ってしまいます。
同じ揺れは、次の期間には起きません。
数のうえでも無理が出ます。
条件を1つ足すごとに、その条件を全部満たす取引例は減っていきます。
3つ4つと重ねれば、最後に残るのはごく少数の場面だけ。
その少数にぴったり合わせた形を、これからの相場が同じようになぞってくれる理由は、どこにもありません。
それでも足すたびに成績表は良くなるので、手ごたえだけは増えていきます。
ここが、いちばん気づきにくいところです。
合わせすぎを見分ける2つの目印
他人に指摘されなくても、自分で気づける目印が2つあります。
1つめは、条件の数が増え続けていること。
負けた場面を見つけるたびに、それを外すための条件を1つ足している。
この形になっていたら、合わせすぎの方向へ進んでいます。
2つめは、数値を何回いじったか自分で覚えていないこと。
どの数字を、どこまで、何度動かしたか。
思い出せないなら、動かした回数のぶんだけ過去に寄せています。
「勝率が低いのはわかるんですけど、それ以外で改善すべきところは」
——こうした相談は、とても自然なものです。
成績を上げたいときに条件を足す方向へ意識が向くのは当たり前で、足す作業には手ごたえがあり、減らす作業にはありません。
だからこそ、目印のほうを先に決めておきます。
気づいた時点で足すのを止められれば、それで十分です。
検証をどんな姿勢で扱っているかは、FX検証の作法と研究方針で整理しています。
検証期間を前半と後半に分ける
点検はひとつだけです。
検証したい期間を前半と後半に割り、前半だけを使ってルールを決め切って、後半は条件を一切変えずにそのまま当てます。
後半は、ルールを持ち込むだけの場所です。
当ててみて成績が悪かったからといってそこで条件を直すと、後半もまた「答えを見た期間」
に変わってしまいます。
この、調整に使っていない期間で試すやり方はアウトオブサンプルの確認と呼ばれています。
見るのは3つだけ。
条件の数は増え続けていないか。
数値を何回いじったか言えるか。
後半のルールを触っていないか。
後半で崩れたら、手法が悪いのではなく、ルールが前半に寄りすぎていたということです。
崩れ方が見えれば、戻る場所もわかります。
足した条件を1つずつ外して、どこまで減らしても形が保てるかを見ていきます。
これは勝てるようになる手順ではありません。
検証と本番の差が出にくくなるかを、先に確かめておく手順です。
