波動シグナル研究所です。
「FXは9割が負けるって聞いたけど、本当なの?」
「周りに勝っている人がいない。
結局、個人はカモにされるだけなんじゃ……」
「実際のところ、どのくらいの人が勝てているのか、数字で知りたい」
こうした「実際のところ」を確かめる手がかりは、ちゃんとあります。
業界団体が取引顧客に対して行う、実態調査と呼ばれる公表データです。
うわさではなく数字で、落ち着いて確かめていきましょう。
FXで勝てる人の割合
結論から言います。
金融先物取引業協会の2018年の調査では、FX経験者の約6割が「昨年は利益が出た」と回答しています。
出典は、一般社団法人金融先物取引業協会「外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査」(2018年4月)。
FX取引の経験者1,000人に聞いた調査です。
内訳を見ると、「利益が出た」は合計60.3%。
最も多いのは「利益が年間20万円未満」
の35.6%で、「0円または損失」は合計39.7%でした。
ちなみに、大きく勝った人(利益100万円以上)は7.5%、大きく負けた人(損失100万円以上)は3.2%。
派手な話ほど耳に入りますが、どちらも少数派です。
うわさより、ずっと地味な世界です。
つまりこの調査に限れば、「ほとんどの人が負けている」とは言えない分布です。
ただし勝ち幅の中心は年間20万円未満。
「6割も勝てる」ではなく「小さく勝つ人が多い」と読むのが正確です。
「9割負ける」説とのズレ
では、有名な「FXは9割が負ける」という話はどこから来たのでしょう。
この記事を書くにあたって出典を探しましたが、この数字を直接示す公的な統計は見つかりませんでした。
現時点では、出どころの確認できない俗説と考えるのが妥当です。
とはいえ、俗説が広まるのには理由があります。
大きく負けた体験談は目立ちやすく、小さく勝ち続ける人の声は表に出にくい。
目立つ声だけを集めると、世界は実際より悲観的に見えます。
飲食店の口コミと似ています。
ふつうに満足した人は書き込まず、強い不満のある人ほど声を上げる。
「9割」がリアルに感じられる背景には、この声の偏りがありそうです。
一方で、調査の数字をそのまま信じるのも早計です。
回答者は取引を続けている人が中心で、経験5年以上が44.9%。
途中でやめた人の成績は含まれにくいため、実際はこの数字より厳しい可能性もあります。
研究所の整理はこうです。
「9割負ける」を裏づけるデータはない。
ただし「6割勝てる」と楽観するためのデータでもない。
数字は盛らず、怖がらず、注意書きごと読む。
損失の原因は共通している
同じ調査には、割合よりずっと大事な数字があります。
損失を出した原因を尋ねた項目です。
最も多かった回答は「損切りができなかったから」で56.5%。
次いで「根拠の薄い取引をしてしまったから」が37.7%でした。
3位は「損切りのタイミングが早すぎたから」の28.5%。
切れないのも、早く切りすぎるのも、その場の気分で判断している点は同じです。
ルールがないから、両方向にぶれるのです。
相場の読みが外れたから、ではないのです。
多くの人は、入る前に決めておけるはずのことでつまずいています。
車の運転にたとえてみます。
事故の統計を何時間ながめても、今日のあなたの運転は安全になりません。
あなたを守るのは、シートベルトを締めて車間距離をとるという、自分側の設計のほうです。
こうした「数字を盛らずに読む」
姿勢や検証の手順は、FX検証の作法と研究方針で詳しくまとめています。
割合より設計の話をしよう
「勝てる人の割合」は、どれだけ調べても自分の成績を1円も変えません。
変えられるのは、損切りの位置、ロットの大きさ、記録して見直す習慣
——自分側の設計だけです。
調査で見たとおり、つまずきの1位は「損切りができなかった」。
裏を返せば、いちばん多い失敗は、入る前の設計で先回りしやすいものだった、という報告でもあります。
今夜できることなら、次の取引の前に「どこまで逆行したらやめるか」を1行書いておく。
それだけで、調査で最多だった失敗の入り口は、ぐっとふさぎやすくなります。
割合を心配する時間を、損切りの位置を1行書く時間に替える。
数字を読み終えたあとの、研究所の結論です。
