波動シグナル研究所です。
「バックテストの結果に最大ドローダウンという項目があるのですが、何を表している数字なのかがよく分かりません」
「最終的には資金が増えている記録なのに、最大ドローダウンを見ると大きな数字が出ていて、どう受け止めればいいのか迷っています」
最大ドローダウンは、プロフィットファクターや勝率と並んで、検証の記録を読むときに欠かせない数字の1つです。
この記事では、計算のしかたを具体的な数字で確かめたうえで、減った割合を取り戻す難しさと、連敗の算数から受け止められる幅を考える方法を順番に整理します。
最大ドローダウンとは
結論から言います。
最大ドローダウンとは、資金がいちばん高くなったところから、その後いちばん大きく減ったところまでの幅のことで、記録の中でいちばん深い沈み込みを表す数字です。
最終的な損益が「どこまで増えたか」を表すのに対して、最大ドローダウンは「途中でどこまで減ったか」を表しています。
山登りにたとえると、最終的な損益が到着地点の高さで、最大ドローダウンは途中でいちばん深く下った谷の深さにあたります。
同じ高さに着く2つのルートでも、途中で深い谷を越えるルートのほうが、歩く人にとってはずっと苦しい道のりになります。
計算方法を数字でたどる
たとえば資金100万円で始めた記録が、途中で120万円まで増えたあと90万円まで減り、最後は130万円で終わったとします。
このときの最大ドローダウンは、山の120万円から谷の90万円を引いた30万円で、割合で表すと30万円を120万円で割って25%です。
割合は始めた資金ではなく、減り始める直前の山の金額で割る点に注意しましょう。
始めた100万円で割ると30%になってしまうので、どちらで計算しているのかを決めておかないと、記録どうしを正しく比べられなくなります。
取り戻すのに必要な上昇率
最大ドローダウンを大切に見る理由の1つが、減った割合と、それを取り戻すのに必要な上昇率が同じではないという点です。
資金が20%減って80万円になったとき、100万円に戻すには20万円を80万円で割った25%の上昇が必要になります。
同じように計算すると、30%減ったときは約42.9%、50%減ったときは100%の上昇が必要で、減り方が深くなるほど、取り戻すのに必要な率は急に大きくなっていきます。
この関係を知っておくと、最終的な損益が同じ記録でも、最大ドローダウンが小さいほうが扱いやすい理由が見えてきます。
検証の記録をどんな条件と期間で集め、どう読むのかという当研究所の考え方は、研究レポートの検証方針にまとめています。
連敗から受け止められる幅を考える
ドローダウンの深さは、1回の損失の大きさと、何回続けて負けるかでおおまかに見積もれます。
1回の損失をそのときの資金の2%にしていれば、10連敗しても残りは約81.7%で、減りは約18.3%に収まる計算です。
一方で、1回の損失を5%にしていると、同じ10連敗で残りは約59.9%になり、40%を超える減り方になります。
検証で出た最大ドローダウンは過去の記録の中での値なので、この先にそれより深い沈み込みが来ることもあると考えて、余裕を持った幅で受け止めておくことが大切です。
